15塩見 亮平 氏 第2章 シルバーアクセサリー製造販売 【Wild Wood 代表】

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塩見 亮平 氏


WildWood
https://wildwood.jp/

代表

略歴
2007年 シルバーアクセサリー&レザーブランド「Wild Wood(ワイルドウッド)」開始
2012年 完全独自システムの工房を併設したショップ 「Wild Wood Shop(ワイルドウッドショップ)」
オープン


茨の道を乗り越えてショップの開業に至った塩見氏。

その後のお話をお聞きします。


 

8.バーテンダーで得たこと

 

バーテンダーから再度独立してアクセサリーの販売をやる、ということになった時に、その時の周りの方々やお客様などがみんな応援してくれたんです。

 

これが先ほどお話しした、バーテンダーという仕事をすることでの「転機」です。

バーテンダーをやったことで自分の仕事を応援してくれて、製品も買ってくれる方がすごく増えたんです。

 

これが「自分で飲み屋をやる為に独立する」となるとそうはいかなかったと思うんです。

周りの皆さんと競合しないアクセサリーですから良かったんだと思います。

 

 

 

9.「価格」というものの考え方

 

人からお金をいただく、っていうのは本当に責任が大きなことなんです。

 

ずっとそう思っています。

 

これはアクセサリーだけじゃなく、すべての仕事や商売に共通することだと思います。

 

物を仕入れて販売する、転売する、という商売はマージンの商売ですから仕入れ額に対して利益を載せて価格を決めることができます。

 

作り始めの時は、自分で制作したものを販売する場合、経験の無さからくる不安が「この商品にこの価格をつけても良いのか?」っていう悩みが出てくるんです。

 

開業前は、自分で「この商品に3,000円の値段をつけても良いのか」と思う壁があり、自分に自信を持てるようになってようやく「3,000円の値段をつけても良い」となるんです。

次は「この商品に5,000円の値段をつけても良いのか」と思う壁があり、それを超えたら10,000円の壁があり、30,000円の壁があり。

技術と経験と実績を重ねて、磨いて、少しずつその値段をつけてよい、という壁を乗り越えていくんです。

 

 

その為、価格はプライドと繋がるとも考えています。

自分のルールのもとで決めた価格は相手を選んで変動してはいけない。という事です。

 

 

以前、知人に「相手をみて価格変えて儲けたほうが得だよ」と言われたことがあります。

 

 

友人だから安くしてあげたい心情はわかりますが、安くするってことは、どこかから高くもらう可能性も出てきますよね。

 

 

そんな軸のないブラつきは良くないと思いましたしので。

価格=プライド、は、安売りもしなければ水増しもしない。

との結論で落ち着きました。

 

 

お世話になった方には、安くするのではなく、価格以上の内容でお渡しする。

 

これがお互いが納得できることなんじゃないかなと思うんです。

 

 

 

 

10.開店後

 

1度目の失敗の経験から、開店後2、3年は大変だ!

という覚悟のもとに始めました。

そして事実そのようにスタートしていきました。

 

初めの1年は僕の給料は年収で100万円を切っていました。

しかし、それで僕は「やれる」と思いました。

 

何故かというと、オープンする前は、制作の仕事のほうはずっとマイナスだったんです。

アルバイトの給料を資材や工具の購入に費やしていましたから、赤字なわけです。

 

それがオープンしたことで、100万円近い利益を生めたわけですから。

僕にとっては凄いステップアップだったんです。

 

もちろん生活はかなり苦しかったのですが。

全てが想定内の苦しさでした。

 

オープン初日に一番初めにアクセサリーを買ってくれた人とアイテムのことは、今でも覚えています。

 

知り合いでもなく、紹介でもなく、通りすがりのご来店で商品を買ってくださった最初のお客様のことも鮮明に覚えています。

 

そういう一見のお客様が買ってくださるまでに、オープンしてから222日たっていました。

数えていたんです。

そのことをすぐ妻に連絡したくらい凄く嬉しかったんです。

 

と当時に、怖くもなりました。

俺、222日どうやって生きてきていたんだろう、って。

222日って、半年以上ですよ。

 

冷静になると、知り合いや紹介だけで半年以上やってきていた事実を知り、怖くなったんです。

 

嬉しく思い、怖くなり、しかし感動が勝りました。

一つ壁を越えれたのかな、と思いましたね。

 

僕は物事を一つ一つ楽しみたいんです。

飛び級せず、一つ一つ階段を登っていきたいんです。

 

 

自分のペースとやり方で道を進んで行きたいんです。

ブランドの名前「Wild Wood」は大地に根をはる木のように自由に成長したいとの願いを込めての名前なのです。

 

 

 

 

11.「カッコいいと思う」か「カッコいいと思われたいか」

 

 

 

僕が昔から思っていることがあります。

 

男性なら「カッコいい」っていう感情に対して、大きく分けて2つに分かれるんじゃないかなと思っているんです。

 

「カッコいいと思われたい感情」と「カッコいいと思いたい感情」です。

 

僕は、アクセサリーを作る上で、まずは自分がカッコいいと思うものから制作をスタートすることが多いです。

 

殆どの人は誰しもが「人からどう見られるか」を多かれ少なかれ考えるものだと思います。

そんな中「自分がカッコいいと思うものを選ぶ」人であっても、「人からどう見られるか」を全く意識しないで「自分がカッコいいと思うから」だけで成立させれる人は少数だと思うんです。

 

「カッコいい」と思ってアクセサリーを作り、それが多くの人に認められて初めてヒット商品に繋がると思うのですが、それはスゴイことで難しいことですが、常に目標にしています。

 

 

 

12.起業を後悔したことはありますか?

 

 

後悔したことは1度もないです。

 

 

 

13.起業して良かったことはありますか?

 

 

アクセサリーを買っていただいて「これすごく気に入ってます。ありがとうございます」って言っていただける方がいらっしゃいます。

これはもう生き甲斐の1つです。

 

そして更にアクセサリーが僕に色々な人生経験を与えてくれていることです。

オープンしたときには考えてもいなかったことだったんです。

 

僕はアクセサリーを通じて、人との繋がりや社会経験を勉強し学ばせてもらっている、ということになるんです。

 

仕事している大人達をみていると、成人後の人生の1日は仕事の時間が多いと思いました。

10代の頃、そのことに気付いたときに、「自分が何の仕事をするかは自分で選びたい」と思ったんです。

更にプラスアルファがあるものを選びたい、とも考えたんです。

それからはアルバイトを選ぶ時でもそう考えて選んでいました。

ただお金を得るためだけに仕事を選ぶのではなくて、その仕事をすることによって自分がプラスアルファの何かを得ることができるもの、を選んでいました。

 

そして、最終的な自分の仕事を何にするか、と考えた時「他の人では替えがきかない仕事をしたい」と思ったんです。

他の人間ではできない僕じゃなければダメな仕事、です。

 

その考えが大好きなシルバーを作って販売するこの仕事に行きついていると思っています。

 

お店をオープンするまでは忙しくて、オープンしたときは疲れがピークでした。

オープンしてから日が経つにつれて少しずつ疲れが取れていきました。

 

疲れが抜けて、ふと一人でお店にいた時、心の底から凄い高揚感が湧いてきました。

 

「組織から離脱した」「自由だ」という実感がわいてきて、凄い高揚感が湧き出てきたことを今でも覚えています(笑。

 

 

お店にいなければいけない、とかその他自分で決めたルールで自分に対して頑丈な首輪はしています。

でもそれは自分で決めたルールです。

お店のルールは自分で決めれる、という自由を得ているんです。

 

組織に縛られない、心の自由を得ることができたことが一番大きかったんだと思います。

 

 

なのでストレスは無いです。

 

さっきも言いましが、後悔もしていないです。

 

 

僕はまだ人生経験も浅いですが、物事って「なるべくしてなっている」と凄く思うんです。

お金も人間関係もそうだと思っています。

自分がお金にだらしないと、周りにはお金にだらしない人が集まりやすいと思います。

自分が成長を志せば、周りにも同じ志しの人が集まってくると思っています。

 

 

 

 

14.起業を目指す人へのアドバイス

 

起業する前は、周りの人からいろいろな助言をいただきました。

きっと起業した経営者の方は皆さん経験してきているんじゃないかと思うんですけど(笑。

 

良い話、悪い話、いろいろなことを聞きました。

僕は自分で舵をとりたいので、多忙で余裕がない中、必要なアドバイスとそうではないアドバイスを、頭の中で整理整頓が難しくなり嫌になってしまった時期がありました。

 

 

 

しかしオープンして落ち着いてから思ったのは、皆さん良かれと思って親切心で言ってくださっていたことに気づいたんです。

 

もっと心の余裕をもてれば、器用に人付き合いができたんじゃないかな、と反省しました。

 

 

そして、「決断」は人任せ (助言任せ) にせずに、自分で決断するということです。

 

 

起業時は今までしたことがない新しいことだらけです。

 

 

夢と希望と計算と不安で混乱しやすい時期だからこそ、自分自身で決断することが大切だと思います。

 

 

決断=責任でもあると思うので、起業する前の決断からすでに始まっているのだと思います。

 

 

15.これから

 

1つ目は、自分にとっての「穴」っていうのを常に意識するようにしています。

その「穴」を埋めていくことは一つの目標にして仕事をしています。

 

最初は一般の人から見て「奇麗なラインアップ」「身に着けやすいラインアップ」を先ずは固めよう、と考えてやってきました。

 

そしてこれからはそれにプラスして、「個性的なラインナップ」を揃えていこうと思っています。

 

「奇麗なラインアップ」と「個性的なラインアップ」の両方ができて、ようやくWild Woodというブランドの色がもっと濃く出てくるんじゃないかな、と思っています。

 

まだまだ発展途中です。

やりたいことだらけです。

 

今までも、これからも大切にしたと思っているのは、「かっこいいもの」「良いもの」を作り続ける、ということだと考えているんです。

 

製品のクオリティと作者の志がブレてしまうと全てがダメになってしまうと考えています。

 

 

ショップとしての強みは、制作と営業を一人で両方をやっているので、その場で全てを自分で判断できるという「身軽さ」だと思っています。

この長所を生かして、これからもやっていきたいと思っています。

 

そして、今思い描いている「夢」をどうやったら現実に出来るのか、自分のやり方でこれからも探していきたいと思っています。